事故治療で整骨院に通いたいけど医師の許可なしでも通える?
許可がないとどんなデメリットがあるの?
事故で整骨院に通うときの注意点はある?
整骨院を選ぶポイントについても知りたい

交通事故によるむちうちなどケガの治療は、通院のしやすさ・治療の効果などから整骨院に通いたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
整骨院は原則として医師の許可なしでも通院が可能。
しかし、医師の診断書がなければ慰謝料を請求できないケースなどがあるため、交通事故にあったらまずは病院に行くことがおすすめです。

編集部
自己判断による整骨院の治療はトラブルを招く可能性もあるため注意が必要です!
本記事では、医師の許可なしで整骨院に通う際の注意点や、整骨院に通うための正しい手順について詳しく解説しています。
事故の治療を整骨院で受けたい…と考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
医師の許可は原則必要ないが…


編集部
結論からお伝えすると、交通事故の治療であっても原則として医師の許可なしで整骨院に通えます。
整骨院は整形外科に比べて
- 夜遅くまで営業している
- 待ち時間が少ない
- 親身になって話を聞いてくれる
- 症状が緩和している実感を得やすい
こういったメリットがあるため、「できれば整骨院で治療を受けたい」という人も少なくありません。
しかし、整形外科の医師の許可なく整骨院に通う場合デメリットも。
- 保険会社の一括対応が打ち切られることがある
- 保険会社が認めないことがある
- 整形外科しかできない治療もある
- 慰謝料が減額されることがある
トラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。
交通事故によるケガの治療費を、保険会社が病院に直接支払ってくれる対応のこと。
一括対応に法的義務はなく、保険会社のサービスの一環として行われている。
整骨院は整形外科に比べて通院の頻度が多くなる傾向があるため、保険会社としてはなるべく整骨院に通わせたくないと言うのが本音。
ほかにも、医師の許可なしに整骨院へ通院し、保険会社が整骨院への通院を認めたとしても、裁判になった場合、施術費用の保険負担が取り消しになってしまうこともあります。
医師の許可なしで整骨院に通う際の注意点

それでは、交通事故の治療を受けるために医師の許可なしで整骨院に通いたい場合は、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
これら4つの注意点について解説していきます。
事故の直後は整形外科を受診する
交通事故に遭ってしまったら、まずは整形外科などの病院を受診しましょう。

編集部
整形外科を受診しなければいけない理由は主に2つ。
理由1:整形外科の医師は診断書を作成できるため。
整骨院に在籍している先生は、柔道整復師と呼ばれる資格を持っていますが、医師ではありません。
そのため、レントゲンやMRIを使った診断ができないため、診断書をもらうには整形外科を受診する必要があります。
整形外科 | 整骨院 | |
---|---|---|
治療者 | 医師 | 柔道整復師 |
実施内容 | 医学的な診断・治療 | 施術 |
MRI・CT | ◯ | × |
診断書 | 作成できる | 作成できない |
保険の補償 | 認められやすい | 認められないこともある |
理由2:交通事故の後、時間が経ってから症状が出る場合があるため。
交通事故は、事故直後には特に症状が出ていなくても、2〜3日経つとむち打ちのような症状が出たり、体に痛みを感じることが少なくありません。
整形外科を受診していれば、外傷がない場合でも表に出ていない体の症状や状態を確認してもらうことができ、後々出てきた症状も保険で対応できるようにしてくれるメリットがあります。
医師の許可をもらう
事故のケガの治療として整骨院に通いたいなら、医師の許可をもらっておくことがおすすめです。

編集部
医師の許可がなかった場合、加害者の保険会社が整骨院の費用を認めないケースがあります。
治療費だけでなく、休業補償や慰謝料についても認められなくなることがあるため注意が必要です。
医師の許可なく通う場合、整骨院での施術の必要性や有効性について自分で証明しなければいけなくなるなど、後から大変になることもあります。
保険会社に連絡する
医師から整骨院に通う許可が取れたら、まず保険会社にその旨を連絡しておきましょう。

編集部
どこの整骨院に通うかも、合わせて伝えておくと連絡がスムーズです◎
保険会社に事前に連絡しておくと、整形外科だけでなく整骨院の費用についても一括対応してもらえます。
医師が許可していれば、保険会社が整骨院への通院を認めないケースはほとんどないので、安心して連絡してくださいね!
整形外科と整骨院を併用する
整骨院への通院が始まった後も、月に1回は整形外科を受診する必要があります。

編集部
あくまでも整骨院は、マッサージなどの医療類似行為がメインとなる場所。
ケガに対する診断・治療を行うことができません。
整骨院のみに通っていると症状の証明ができずに治療の必要性が不透明となり、保険対応できなくなる可能性があります。
整骨院も事故治療費保証の対象


編集部
整骨院での治療も、整形外科と同様に自己治療費保証の対象となるため、自己負担なく通うことができます。
- 施術費用
- 通院にかかった交通費
- 通院に対する慰謝料
- 休業補償
これらを請求することが可能です。
通院に対する慰謝料=整骨院への通院で生じる精神的苦痛に対するもの
休業補償=通院のため仕事を休んだ分の給料の補償
ただ、注意点としては整体院やカイロプラクティックの治療費は保障の対象外となっています。
上記2つで行う施術内容は整骨院と似ているようにも感じますが、国家資格がなくても施術できる種類となるため、治療費を保険でカバーできません。
種類 | 国家資格 |
---|---|
整骨院 | 柔道整復師 |
整体院 | 特になし |
カイロプラクティック | 特になし |
事故治療で整骨院の施術を受ける流れ

それでは、実際に交通事故に遭ってしまい整骨院で施術を受ける場合は、どのような流れになるのでしょうか?

編集部
まず初めに整形外科に行って診断書をもらい、保険会社に連絡することを忘れずに!
その後の流れについて、注意点やポイントも踏まえて解説します。
STEP1:整骨院に電話・または来院
整形外科で診断書をもらい保険会社への連絡も済んだら、通院したい整骨院へ電話または直接来院して事故治療を受けたい旨を伝えましょう。

編集部
整骨院によっては完全予約制の場所もあるので、まずはホームページなどでチェックして!
- 保険会社の連絡先
- 担当者名
- 整形外科での診断名
これら3つを初めに伝えらると、その後の手続きがスムーズに進みます。
STEP2:問診票を記入
整骨院に来院したら、問診票を記入します。
交通事故による治療の場合は、問診票とは別に
- 事故にあった日・状況
- 病院での診断内容
- 現在のケガ・痛みの状況
- 保険会社の確認
これらの確認も合わせて行います。
STEP3:触診・治療開始
問診が終了したら、触診を行いさっそく治療がスタートします。

編集部
整骨院では症状に合わせて、以下の治療を受けられますよ!
- 整復法
=損傷を受けた骨や関節を元あるべき位置に戻す手技 - 固定法
=テーピングやサポーターで患部を正常な位置に固定する - 手技療法
=マッサージ - 物理療法
=電気治療・温熱治療・光線療法・寒冷療法など - 運動療法
=関節可動域訓練や筋力トレーニング
STEP4:通院・治療終了
定期的に通院し、症状が緩和してきたら治療は終了◎
ケガの具合や個人によっても変わってきますが、ほとんどの人が3〜6ヶ月で治療を終えます。
整骨院から治療が終了した旨を保険会社に連絡し、明細が書かれた示談内容書を確認・サインをすれば完了です。
事故治療で通うべき整骨院のポイント

交通事故の治療が目的で整骨院に通いたい場合、どんな整骨院を選ぶかも重要です。
交通事故で通うべき整骨院の3つのポイントについて詳しくご紹介します。
交通事故に特化している
整骨院のなかには、交通事故の治療に特化しているところもあります。

編集部
事故によるケガは通常のケガと違い、思いもかけない大きな負担が体にかかっていることが多いです。
本人が自覚していない症状を抱えているケースも珍しくないので、事故治療を専門に扱っている、または事故治療の実績が多い整骨院での施術がおすすめ◎
最新機器を取り揃えている
最寄りに交通事故の治療に特化している整骨院がなかった場合は、できるだけ最新機器を揃えている整骨院を選ぶことがおすすめです。
整骨院ではケガの治療を目的とした『整復マッサージ』をメインで行いますが、それ以外にも電気治療や温熱療法など、機械を使ったさまざまな治療が可能となっています。

編集部
最新機器が多く揃っていれば、それだけ効果的に治療ができるということ◎
最新機器を導入するということは、それだけ新しい情報も積極的に勉強していることが多いため、最先端の治療を受けることができます。
医療機関と提携している
整骨院のなかには医療機関と提携している病院も少なくありません。
受診した整形外科と提携している整骨院があれば、優先的に通ってみてもいいでしょう。

編集部
提携しているので、あなたの症状や事故の状況について、病院同士で詳しく共有することが可能です◎
医師と整骨院が直接やりとりすることもあるため、ケガや症状に最適な治療を受けやすくなると考えられます。
まとめ:まずは必ず整形外科を受診しましょう!

医師の許可なしで事故治療のために整骨院に通う際の注意点や、通うべき整骨院のポイントについて詳しくお伝えしてきましたがいかがでしたか?
今回の内容を簡単におさらいします。
- 医師の許可なしで整骨院に通うこともできるが、トラブルの原因となる可能性がある
- 事故に遭ったらまず整形外科に行き、診断書をもらうことがおすすめ
- 整骨院に通いたい場合は事前に医師の許可・保険会社への連絡を行う
- 最低でも月に1回は整形外科に通うことで、整骨院の費用も保障の対象となる
- 交通事故に特化している整骨院を選ぶ
整骨院は、夜遅くまで営業していたり対応が親切などのメリットが多いため、交通事故の治療を受けるなら整骨院を選びたい人も多いと思います。

編集部
ただし、医師の許可のない整骨院への通院は保障の対象外となるリスクが高いです。
そのほかのトラブルにもつながる可能性があり、治療の補償を受けられなくなってしまうかもしれません。
事故治療で整骨院に通いたいなら、まずは整形外科を受診し、あらかじめ医師の許可をもらった上で補償対応の治療をスタートさせましょう!